小さな子どもは、エネルギーの塊まりで、それに24時間365日付き合うお母さんは、幸せながらも、本当に大変な毎日だと思います。

今回ご紹介するのは、神奈川区の子育てサロン「共育ち・ひなた」。

ここは、小さなお子さんのいるお母さんにとって、まさに安らぎの場所。時に、親子向けの様々なワークショップやセミナー、講演会なども開催されます。

「共育ち・ひなた」を主宰されている宮地さんにお話を伺いました。

■共に育つ 場所

“子どもの育ちに寄り添うことを通して、私たちはーー親・支援者・私個人としてーーもうひとつの人生を味わうことができます。”

これは、「共育ち・ひなた(以下ひなた)」のホームページのトップにあるメッセージです。

それまで自由に生きてきた女性が、母となり、自分とは別の“人”を育てるということ。それは、驚くほどの偶然と、奇跡が重なっているのではないでしょうか。当たり前だと思っていることが、実はとんでもなく幸運なことなのです。


「ひなた」を始められたきっかけを教えて頂けますか?

「私は、もともとシュタイナー幼稚園で教師をしておりました。一方で、今とは別の場所で『ひなた』の会を開いていました。

そして、一昨年前の春から、自宅1階をオープンスペースにし、講座などを始めたのです。そもそものきっかけは、今から14年前、ドイツのシュタイナー幼稚園で働いていた頃に始めた、“お母さんの会”です。

その頃ドイツでは、お母さん同士が出会う場所がありませんでした。そこで、出会い、つながれる場所を作りたい、そんな思いからこの会を始めました。

教師と保護者という立場ではなく、よりフラットな関係で、お母さんたちと繋がりたい、そんな思いがあります。」

「ひなた」には、どんな方がいらっしゃいますか?

「小さなお子さんのいらっしゃるお母さんから、講座を受講される、お孫さんがいらっしゃる方まで、幅広いです。

毎月第1・第3火曜日には、『ひなたぼっこ広場』と言って、出産前のプレママから親子、先輩ママまでが集える場を開催しています。

これは、“神奈川区すくすくかめっこ事業”としても認定を受けていて、多くの方が遊びにいらして下さいます。」

■様々な出会い(出合い)の場になれば嬉しい。


「ひなた」では、様々な講座が開催され、とても興味深いのですが。

「講座には、親子向けの講座と、大人向けの講座があります。親子向けのものは、親子で何かを作る、というものが多いですし、大人向けのものは、手仕事やマッサージ、学び、ヨガ瞑想などのクラスがあります。

また、『かあさん講座』や『母さん力UP隊』というものがあり、これは文字通り、育児中のお母さん方向けの講座になります。」

「かあさん講座」や「母さん力UP隊」について、詳しく教えて頂けますか?

「子育ては大変で、決して楽しいことばかりではありません。けれども私は、それも含めて、“今”を楽しんで欲しいと思います。

現代のお母さんたちはとても忙しそうですよね。育児と家事は両立できない、という声も聞きます。

けれども、子どもがお母さんの全面的なサポートが必要な時期は、本当にわずかです。その時期くらいは、ゆっくりとしたペースで、子育ての喜び、大変さを味わって頂きたいのです。

私は、今のお母さんたちに、手仕事、お料理など、手から生み出すものが、普段着でできるんだよ、ということを伝えたいのです。そして子どもに、お母さんが何かを作っている姿を見せたいのです。

小さな子どもは、味覚を育てる大切な時期です。その時期にこそ、お母さんの手作りのお料理を食べさせて欲しいと思います。そんなことを伝えたくて、『母さん力UP隊』を開催しました。」

伺っていて、心から共感すると共に、二児の母として、少し耳が痛いです(苦笑)この講座を通して、お母さんたちに、「こんなこともできるんだよ」という提案をされているということでしょうか。

「そうですね。人もそうですが、こうした手作りのものが、実は自分でもできるんだと気付くきっかけになれば嬉しいです。

選ぶのはお母さん自身です。その人(お母さん)が出合い、納得する、ということは今の時代にとても必要なことです。この講座 が、その選択肢のひとつとなり、私は、それを手助けする存在でありたいと思います。」

「ひなた」は、とても暖かみのある、穏やかな空間ですね。まるで、別の世界にいるよな・・・。気持ちよく整理された玩具などは、全て自然のもので作られていて、子どもでなくともワクワクしてしまいます。飾られた絵、オブジェなども、とても丁寧に作られたものばかりで、心が自然と落ち着いてきます。

「この室内 は、シュタイナー建築家に依頼した、“訪れる人を迎え入れる部屋”です。壁面の色合いひとつとっても、部屋ごとに微妙に違うのですよ。カーテンは、私が手染めしました。

日々の忙しさなどから、人びとが行き交う場所が少なくなっています。そんな現実の中、せめてこの空間だけは安心だよ、という場所を皆さんと作りたかったのです。」

■“母”で あることを引き受ける。


宮地さん にとって“子育て”とは何でしょうか。

「子育てって、大変で、決して楽しいことばかりではないけれど、存分に味わって頂きたいですね。大切なことは、母親になることを引き受けるか、引き受けないか、ということだと思います。

“母親”というものを引き受ければ、自分自身(母)が変わって行けます。子どもとともに、成長して行けるのです。現代は、出産をしても、まるで子どもがいないかのような生き方もできます。

そんな中、母親であることはなに?と、自分に問うてみる。自分が、“母親”を引き受けるという思いがあることで、人生が二倍にも三倍にも味わえるようになります。

子ども以外に、自分の心をこれほどかき乱してくれる存在はいません。それを嫌だと思うのか、味わうのか・・・。子どもから教えられることはとても大きいのです。

私自身、母親になることで、二度、三度人生を行き直すことができた、と思っています。そして、荷物というものは、しっかりと引き受けると(背負うと)軽くなります。

引き受けない状況だと、荷物は重いままなのです。心の持ちようで、その荷物の重さは変わると思うのです。せっかく母親になったのだから、子どもの分も、家族の分も、人生を楽しまなくちゃ損ですよね!」


時に、育児は、母親にとって大きな試練を与えてくれるものです。自分との葛藤、忍耐の日々。まさに、そのまっただ中にいる筆者自身にとっては、宮地さんのメッセージひとつひとつが、心に沁みるものでした。

母である方も、そうでない方も、一度宮地さんのお人柄に触れてみて下さい。心の中に、穏やかで、温かな風が吹き抜けるような心持ちになります。

 

共育ち・ ひなた

横浜市神奈川区鳥越11-17
  • アクセス:JR東神奈川駅より徒歩8分・京急仲木戸駅より徒歩9分・東急東横線東白楽より徒歩10分
  • ホームページ:http://tomosodachi-hinata.blogspot.jp/
    ※講座のスケジュールなどは、上記ホームページをご覧下さい。

<ひなたぼっ こ広場(誰でも過ごせる場\100)>

  • 毎月第1・ 第3火曜日10:00-13:00
    ※2013年度神奈川区すくすくかめっこ事業
  • 母と子ども がゆったりと過ごせる空間“ここで出 会い、つながり、共に子育て期を味わおう”